【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長 、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
患者数、特に入院患者数の減少が続いていることはさまざまなデータで明らかにしてきた。グラフ1は厚生労働省が3年に1回実施する患者調査のデータであり、65歳以上の入院の受療率は低下が続いている。
現在の地域医療構想での必要病床数が2013年データを基にしたものであることからすれば、その前提は大きく変わっていることになる。20年はコロナ禍で入院制限もあったが、直近の23年はさらに低下しており、外来化や在院日数の短縮の影響を色濃く受けている。グラフ2は、外来の受療率であり、入院ほどではないものの65歳以上については緩やかな低下傾向が見られる。0-14歳については外来受療率が増加しているが、これは人口が減少している影響もあるのだろう。
さらにグラフ3は入院についての主な診療領域別の受療率であり、高齢化に伴い増加すると一般的に予想されている脳血管疾患については2005年をピークに受療率の低下はとどまるところを知らない。
病院ではなく、施設や在宅などへの移行が影響しているのだろうし、そもそも重症な脳梗塞が減少しているのではないだろうか=グラフ4=。
一方で、
(残り1909字 / 全2428字)
次回配信は1月27日を予定しています
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】